日本語とスペイン語って似てる?(前)

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スペイン語と日本語って似てる? (前)

前編:共通点

本当は、ある言語が似ているかどうかというのはとても主観的で曖昧な話ですから、ここでは日本語に対して、皆さんも勉強したことのある英語とスペイン語の比較において考えてみましょう

はじめに似ているところから見てみましょう。

1. 発音

まずは発音です。
スペイン語と日本語は母音がほぼ同じです。 ア・イ・ウ・エ・オ これが非常に似ていると、それとの組み合わせで成り立つ音も一緒に似てきます。子音(アイウエオ以外、単独で発音し辛い音)も、

B, D, (G), K, M, N, P, Q, (R), S, T, (X), はほぼ同じです。

スペイン人の感覚としては、日本人の話すスペイン語は、英語なまりのスペイン語よりもはるかに聞き取りやすいのです。
日本語と同じ音の言葉も多くあり、空耳スペイン語 なんていうツイッターのアカウントもあるほどです。

2. 表記

発音が近ければ、ローマ字の使い方もやはり似ています。
例えば英語では、
thoughtsの     ough は(オー)
beautifulの    eau  は(ュー)
Sean の     ean は(ョーン)
earn  だと(アーン)
knife(ナイフ) のkは読まないのにKing(キング)

と文字の読み方が組み合わせによっていくつも変わります。
しかしスペイン語の書き方は、基本的には日本で使うローマ字と同じで、それに少しの違いを覚えれば1〜2時間もあれば簡単に読み書きができるようになります。

2. 文法

文法については似てないと感じるところが多いでしょう。 ところがスペイン語文法はそのかなり根本的なところで、英語よりも日本語に近い部分もあります。

それは、主語(やる人)、動詞(やること)、目的語(やられる人、〜に、〜を)、の順番が割と自由であることです。
例えば英語では言葉の順番が変わると意味も変わってしまいます。

     主    動   目      目
Carlos   gives   Jose   a book.

カルロスがホセに本をあげる

Jose   gives   Carlos   a book.
ホセがカルロスにに本をあげる

と「やる人(主語」と「やられる人(目的語)」が入れ替わってしまいますね。

しかし日本語なら、
ホセが カルロスに 本を あげる
カルロスに ホセが 本を あげる
本を カルロスに ホセが あげる

この四つの要素に分割しているかぎりどんなに順番を入れ替えても意味は変わりません。

スペイン語も実はこの点は日本語と同じなのです。
主  動   目    目
Carlos da un libro a José.

A José da un libro Carlos.
Da un libro Carlos a José.
Un Libro a José da Carlos.

とどんなに順番が入れ替わっても同じ意味のまま文が成り立ちます。

また、日常会話では、いちいち「私は」とか「ホセが」とか主語(やる人)を口に出さなくてもいいところも少し似ていますね。ただこれに関しては全く別の原理がはたらいているので、「表面上は似ている」といったところでしょうか。

もちろん同じ人間の話す言葉ですから、何語だってどこか共通点があって当然ですが、スペイン語と日本語で言うならば上の点が主なものではないでしょうか。 日本語を話す人にはスペイン語は難しいとお考えかもしれませんが、中には日本語話者だからこそよくわかるところだってあると、私は思うのです

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